DCPソリューション

スギ薬局グループ

MENU

開業したドクターの声

doctor voice

メイン画像

〜ドラッグストア2階テナントで開業したみうら皮フ科クリニック〜

みうら皮フ科クリニック 院長 三浦 和久先生

2021年5月、名古屋市天白区のスギ薬局原南店2階に新規開院したみうら皮フ科クリニック。血液内科医、皮膚科医として26年かけて培った経験を活かし、「地域の皆様のかかりつけ医」として、子供から高齢者まであらゆる世代に親しまれるクリニックを目指す三浦和久院長に、開業までの話を伺った。

ジェネラリストを目指し、卒業後はまず血液内科の道へ

愛知県豊橋市にある代々医師の家系で育ちました。父は皮膚科を開業しており、私で4代目。子供の頃から自然と将来は医者になるものだと思っていました。高校時代に別の方面に興味を持ったこともありましたが、やはり医師の道に進むことに決め、大学は医学部に進学。当初からいずれは開業するつもりでいたものの、卒業後は皮膚科ではなく血液内科医としての道を選びました。というのも私には「町のお医者さん」になりたいという夢があったのです。皮膚科だけでなく全身が診られて、患者さんに親身になって寄り添う、そういう医師になりたいと。血液内科が一番ジェネラリストに近いという教授の示唆もあり、愛知県がんセンターや名古屋市立大学、愛知医科大学で血液内科医としての研究や臨床の経験を積みました。

日々命と関わる現場で充実した日々を過ごしていたのですが、40歳を迎える頃、当初の目標であった開業を真剣に意識するようになり、皮膚科に入局を決意し、皮膚科医として再出発しました。

皮膚科に移って10年勤務後、自宅間近でテナント募集が

愛知医科大学皮膚科、トヨタ記念病院を経て、3次救急医療病院の総合大雄会病院で皮膚科医として10年経験を重ねました。救急医療病院には外科当直もあるので、皮膚科医といえども全身が診られるジェネラリストでないとなかなか対応が難しい。血液内科医でもある私は、そういう意味では救急病院に適していたのだと思います。実は45歳の頃に一度、開業しようと思って土地を探していたことがありました。見つかったら開業したいとお願いしていて、土地は見つかったものの、後任医師の不足等の都合もあり、なんとか折り合いがついたのが50歳を迎えた頃でした。豊橋駅前にあった実家の医院を継ぐという選択肢もあったかもしれませんが、豊橋はドーナツ化現象が進んで人口構成がかなり変わり、その頃には医院の場所は開業に適さなくなっていました。また父も体力の限界が近づき、私の開業まで待てずに閉院を決めたので、実家を継ぐのではなく、20年以上暮らしてきた名古屋市天白区周辺で開業しようと決めました。

緑区、天白区、豊明市などで新たに土地を探していた頃、自宅から500mくらいのところにスギ薬局原南店がオープン。2階に入居するクリニックを募集している看板を妻が見て「あそこはどう?」と。それがきっかけでDCPソリューションにコンタクトを取りました。

驚くほどスムーズに話が進む

そもそも開業するなら自宅から通いやすい場所がいいと思っていました。それまでの勤務先へは高速を使って車で通勤していたのですが、時間もかかりますし、雪が降った時などは大変でした。その点、ここなら自宅から歩いて5分くらいと近い。また、40代で開業場所を探していた時は土地を借りて建物を建てる計画でしたが、50代になってみると、正直なところ返済ができるかどうか不安があったので、初期投資が少なくて済むテナントに魅力も感じていました。

そこでテナントを募集していたDCPソリューションにメールで連絡し、10日後には担当者と会ったのですが、その時には診療圏調査、見込み来院数、競合となる近隣クリニックの状況などのデータを全て用意してくれていました。DCPソリューションでも、データを検討した結果、この場所なら皮膚科がいいのではという想定をしていたそうで、それからは本当にスムーズに話が進みました。

最終的にここで開業しようと決意したのは、担当者のお人柄も大きかったです。疑問に思ったこともすぐに解決していただけましたし、診療圏調査も信頼に足るもので、集患面の不安も取り除いてくれました。実際、原南店の開店当初から車の行列ができていたのを見ていたので、来店する人が多いことは実感していました。また医薬品卸、税理士事務所とも連携をとっていただき、いろいろな面からサポートが受けられたので、開業まで安心して任せることができました。

「町のお医者さん」を目指し一般皮膚科として開業

急性期病院で勤務していた頃に、転院・退院された患者さんのその後も診ることができれば…という気持ちが強くなっていたことや、最初から私が目指していたのが「町のお医者さん」であったことから、開業する時は美容に特化した皮膚科ではなく一般皮膚科でと決めていました。

開業にあたって意識したのは、次のようなことです。

特長となる機器の導入

一般皮膚科として“強み”になるものは、と考えて導入したのが紫外線治療のための光線療法・ナローバンドUVB全身照射装置です。愛知県内にまだ3台しかないので、この治療のために定期的に通院してくれる患者さんが見込めます。実際、この治療が目的の患者さんが多く来院していますし、大学病院や市内の基幹病院からの紹介も増えています。

▼愛知県内に3台しかないという光線療法・ナローバンドUVB全身照射装置
光線療法・ナローバンドUVB全身照射装置 光線療法・ナローバンドUVB全身照射装置
建物・設備へのこだわり

近隣には高齢者も多いため、トイレも含めオールバリアフリーにはこだわりました。車椅子のまま使える足洗い場も導入したかったものの一つです。2つの診察室と処置室を当初の希望通り設置し、最近の傾向として当たり前になっているWEB予約システムも取り入れました。テナントの限られたスペースではありましたが、一通りのことは自分でできる環境が整えられたのはよかったと思います。

▼車椅子にも対応したトイレ、足洗い場を設置
車椅子にも対応したトイレ 足洗い場
▼広々とした処置室(1枚目)、診察の順番は待合室の画面に表示される(2枚目)
処置室 診察の順番は待合室の画面に表示
スタッフ

スタッフの採用も一からでしたが、ありがたいことに開業時の応募はたくさんありました。ただ19時までの診察という時間的な条件に合う方がなかなか見つからず、そういう点では苦労したかもしれません。

事業計画・資金面

事業計画の作成にあたっては、DCPソリューションに協力してもらいました。1日に200人診られる医師もいますが、私の診察スタイルだと80人/日が最大と考え、そこを限界値に設定して計算しています。その数字をベースに抑えられるところは抑えて準備をしましたが、初期コストなどは想定内に収まりました。唯一コストがかかったのは紫外線の照射装置くらいですがが、導入しても十分採算が合う計算になっています。

診察時間

競合の皮膚科医院との差別化のため、午前終了を30分遅い12時30分まで、午後の診察時間のスタートを30分早い15時30分からに設定しました。終了時間は19時ですが、仕事帰りに受診される患者さんが多いので助かると言われることも多いです。

開業して1年未満で2年目の目標を達成

開業して1年に満たないのですが、2年目の目標としていた収入には既に達しています。集患数の目標にはまだ少し足りないのですが、紫外線照射治療の患者さんが多いので、金額的にはクリアしている状況です。

患者さんは高齢者の方が多いと予想していたのですが、蓋を開けてみると思ったほどではありませんでした。年配の方は義理堅いのか、それまでお世話になった通院先を変えようという方はあまりいないように思います。ただ、少し体が不自由になって、今までのところに通院するのが大変だから、オールバリアフリーの当院に来ることにしたというケースはあります。また近隣のデイケアサービスからスタッフに付き添われて診察に来る患者さんもいます。

予想外だったのは、若い患者さんが多いことです。周辺に下宿している学生さんがニキビ治療のために来院したり、近くのスイミングスクールに通っているお子さんたちがレッスン帰りに来られたり。ニキビ治療の評判を知り合いに聞いて来る患者さんもいますので、ニキビ治療やビタミン注射、フェイシャルケアなどにもう少し取り組んでもいいのかなと軌道修正も考えているところです。

子供さんが多く通ってくれているので、その患者さんたちが成人するまでかかりつけ医として関わりたいというのも、私の願いです。

開業してまだ短いですが、今の課題は午前中の患者さんをどう増やしていくかです。午後と同じくらいのペースが理想なのですが…。患者さんの数は増やしてはいきたいものの、丁寧に患者さんを診たいというのも私の目標なので、そのバランスを取りながら課題を解決していければと思います。

またクリニックの将来を見据えると、私自身も医師としてだけではなく、創業者、事業主としてのカリスマ性が必要なのだろうと感じる日々です。

ドラッグストア内の開業にはさまざまなメリットが

DCPソリューションは、開業前も開業後もいろいろな面でサポートしてくださっているので本当に助かっていますし、ドラッグストア内のテナントで開業したからこそ良かったなと思うこともあります。来店する方が多いので看板が自然と目に入り、集患に繋がるのはもちろんのこと、調剤薬局と連携できるのもメリットです。薬に関する最新の情報提供はもちろん、たとえば「この薬がなくなりそうです」など、きめ細かくお知らせしてもらえるのもありがたいです。これが門前薬局だと、どうしても皮膚科でよく処方する薬がメインになってしまいますが、その点、1階の調剤薬局はいろいろな病院の処方箋に対応しているため、薬の品揃えも豊富で、内科的な薬を処方しても大体在庫があるのも助かります。

また診察の待ち時間に患者さんが「1階で買い物していますね」ということもよくあり、順番を待つ間に時間を潰してもらえるのは思わぬメリットでした。

これから開業を考えていらっしゃる方にアドバイスするとすれば、なるべく若いうちに、ということです。借金するのは若いうちだと思います。70歳ぐらいまで働いて返済しないといけないのは結構なプレッシャー。家を建てる時と同じで、チャレンジするならなるべく早く、と言いたいです。

▼スギ薬局原南店2階に開業

薬局 みうら皮フ科クリニック入口

 

取材・文/清水真保 撮影/貝原弘次

■プロフィール
三浦 和久(みうら かずひさ)

  • 名古屋市立大学医学部 卒業
  • 愛知県がんセンター 血液化学療法部
  • 名古屋市立大学医学部 第二内科
  • 愛知医科大学 血液内科
  • 愛知医科大学 皮膚科
  • トヨタ記念病院 皮膚科
  • 総合大雄会病院 皮膚科 部長

カテゴリー