DCPソリューション

スギ薬局グループ

MENU

開業したドクターの声

doctor voice

メイン画像

~地域の人たちが「気軽に立ち寄れる」「頼れる」存在でありたい~

にしお整形外科医院 院長 西尾 豊先生

にしお整形外科医院は千葉市中央区、JR外房線・内房線・京葉線が乗り入れる蘇我駅近くの住宅街にある。院長の西尾氏は千葉県内の別のクリニックで12年間地域医療に携わったのち、2022年5月、長年の夢だった自院を開院。開業への思い、そして現在に至るまでの道のりなど、そのリアルな話を聞くことができた。

西尾先生が整形外科医を選択した理由や、開業への思いについて教えてください。これからどのようなクリニックにしていきたいとお考えですか。

西尾 私は幼少時からとにかく怪我が多く、救急車で運ばれることもありました。それで初めは医者嫌いだったのですが、頻繁に診てもらっているうちに医師に対して「必ず治してくれる」という信頼感が芽生えてきたんです。将来の夢を思い描いた時に、パイロットやF1レーサーなどが子供心に憧れで浮かびましたが、しかしそういうのはちょっと難しい。その点、医師なら勉強さえ頑張ればなんとかなるかな、と勝手に思いました(笑)。思春期に周囲に病気の人が多く出たこともあり、ただ単純にその知り合いを自分が勉強して医師になり、助けたいという気持がありました。高校生の頃には「一番尊いもの=人の命」に関わることができる仕事がしたいと思い始め、医師を目指したのです(単純ですね)。

整形外科を選んだのは、首からつま先、神経から骨まで、専門的に診る範囲が多岐にわたるため、いろいろなことができると思ったからです。それに、手先を動かすことが得意だったということもあります。ギプスを巻いたり、手術したりするのには手先の技術が必要ですから。もうひとつ、治すのが困難といわれる脊髄損傷の治療について研究したいと思ったことも整形外科医になったきっかけです。大学でしばらく研究を続けましたが、やはり一人一人の患者さんを実際に治療する、ということの方が私には向いていると感じ、憧れであった町医者(開業医)を目指しました。

昨年までの12年間、別のクリニックで勤務する中で開業医の楽しさを知り、世の中の役に立っていることを実感しました。怪我が治ると患者さんがみんな喜んでくれるのが嬉しかったんです。とにかく「患者さんをなんとかしたい」という思いで、努力をして整形外科の開業医になったわけですが、その気持ちは今も変わらず、地元の人に「ここに行けば、なんとかしてもらえる」と頼りにしてもらえるクリニックにしたいと思っています。大病院のような専門的治療ができるわけではありませんが、コンビニのように気軽に立ち寄ってほしいので、来院される患者さんのことは自分の家族だと思って接しています。

ただ、整形外科はコロナ感染に対してほとんど何もできません。みんなが困っているのに力になってあげられないのは医師として歯痒いです。ですから、少しでも役に立ちたいという思いで、当院では新型コロナウイルスワクチン接種も実施しています。これも自由に診療内容を決められる開業医だからできることで、私が開業した大きな動機になっています。

▲左上から受付と待合室、診察室、検査室、リハビリテーション室

ここからは開業についての具体的なことをお聞きします。開業を決めた時期、情報収集の方法、物件選びの際に重視した点などについて教えてください。

西尾 開業という選択肢は医師になった当初からずっと考えていました。ですから、前職の勤務医になったのは修行といいますか、いずれ自分で開業するつもりであることを前職の院長にも伝えてありました。そこはスタッフもみんな仲良くて雰囲気が良く、今でも「あんなクリニックにしたい」と憧れているくらい良い職場でした。本当はもっと早くに独立しようと思っていたのですが、あまりに居心地が良くて、気づくと12年も勤め続けていた、というのが正直なところです。

実際に開業に向けて動き始めたのは2018年ごろ、コロナ禍が始まる少し前のことです。インターネットでいろいろな開業支援サイトをチェックして、実際にいくつかのコンサルタント会社に連絡を取っていました。物件の条件は「広いところ」というくらいで、他にあまりこだわりはなかったのですが、開業にあたって自宅の引越しはしないと家族と約束していたため、エリアはある程度決まっていました。当初は路面物件を中心に、住宅メーカー系の大手不動産会社から小規模な会社まで幅広く検討していた中で、たまたまDCPソリューションに出会い、紹介してもらったのがこの場所です。最初から薬局併設を希望していたわけではありませんが、開業してみてそのありがたみを感じています。薬の情報をもらうだけでなく、他にもサポートがあるので、自分の力を2倍にも3倍にもしてくれているのではないでしょうか。

自宅から通える場所とはいえ、どんな患者さんが来院するかということはあまりイメージできていませんでした。事前にリサーチした資料を見ると、さほど多くの患者さんは見込めないとの調査結果がでていたのですが、実際に開業してみたらそんなことはありませんでした。データはあくまでも予測ですから、必ずしも当てはまるとは限りません。私のケースではいい意味で当てはまらなかったという印象です。もちろん集患のために、電柱の看板やチラシ、インターネットなどを使って広告展開をしたので、かなりの出費はありましたけれど。

勤務しながらの開業準備でしたから自分ではとても手が回らず、さまざまな手続き関係や金融回りのことはほとんどDCPソリューションにお任せの状態でした。その助けがなかったらクリニックは出来上がっていなかったと思います。資料を用意してくれたり、私の考えが甘いところはきちんと指摘してくれたり、担当の方は親身に力になってくれました。それでも、実は内装工事が開業に間に合わないという事態が起きてしまったんです。担当のコンサルタントには何度も「大丈夫ですか?」とご確認いただいていたにも関わらず、結局は数百万円単位の損失を出していました。そういうことを避けるためにも、お金を払ってでもコンサルタントの力は借りるべきだと思います。

もう一つ、苦労したのは求人です。整形外科は看護師や事務職の他に理学療法士や作業療法士といったリハビリ専門のスタッフも必要なので、人材集めは大変です。私の場合は求人サイトで募集をかけてオープニングスタッフはカバーできたのですが、追加募集がなかなかうまくいかなくて。求人広告にお金をかけても応募がゼロということもあり、なかなか難しい。だからといって旧知の病院などから引き抜くわけにもいきませんし、今も人材の確保には苦労しています。

最後に、開業を検討中のドクターの方々に伝えておきたいことはありますか。

西尾 出費を惜しまずコンサルタントのサポートを受けることをお勧めします。大学時代の同級生や元同僚など、開業した先輩医師に話を聞くこともできますが、相手も忙しいのにあまり突っ込んだ相談もできませんから。例えば金銭面のことなど、お互いに聞きにくい・答えにくいこともあるでしょうから、やはりたくさんのデータを持っている専門の第三者に相談するのが一番です。それから、収入面ではあまり期待しない方がいいと思います。私の場合、現状では勤務医の時より収入は減っています。それでも開業医はやりがいがありますし、歳をとっても働き続けることができるので、この選択は正しかったと思っています。

▲スギ薬局蘇我鵜の森店に併設、広い駐車場が利用できる

カテゴリー