私の強みは、脳神経内科医でありながら、精神科病院での診療経験が長いことです。例えば、認知症の患者さまは精神疾患と似た症状が見られることがあります。「この症状が出たらこの薬に移行しよう」「ここまでの症状が出たら精神科救急だ」と判断でき、精神科病院へ相談依頼ができます。また、パーキンソン病などの脳神経疾患についても、精神科の知見を活かして、幅広い治療法をご提案できることが強みです。
また、認知症の臨床経験も長く、認知症予防には強い思い入れがあります。今、特に力を入れているのは「MCIスクリーニング検査」です。40代から受けられ、少量の採血で将来の認知症のリスクを調べられます。当院では2名の栄養士とともに、生活習慣の改善・食事指導を通して認知症予防をサポートしています。認知症の中には、早期発見・早期対策で予防できるものもあります。遺伝素因がある方や、気になる生活習慣がある方は、ぜひ早めに検査を受けていただきたいです。
原 女性内科外来を立ち上げたことは、私のこだわりの1つです。私自身、高校時代から激しい内膜症があり、救急車で運ばれて入院したこともありました。子宮内膜症やPMSなどについて勉強し、さまざまな治療も受けました。大病を患い生理が止まってホルモンバランスを崩し、身近にいる大切な人に当たってしまい落ち込んだ経験もあります。同じように悩む女性をケアしたいと思ったんです。
当院の女性内科外来には、「大切にしたい人に当たってしまう」と診察室で泣かれる患者さまが本当にたくさんいらっしゃいます。同じ女性だからこそ、同じ経験をしているからこそ、気持ちがよくわかります。治療を経て、「すごく落ち着きました!」と喜ぶ患者さまの姿を見ると、女性内科外来を立ち上げてよかったと思います。