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1.契約パターン…定期賃貸借と普通借家契約
■定期借家(借地)契約のポイント
・契約期間が満了しても更新されることはなく契約は終了する
・再契約の合意が成立した場合にのみ再契約となる
・特約がない限り中途解約はできない
・中途解約しても賃借人は残存契約期間分の賃料相当額などを支払う義務がある
■普通借家契約
旧借家法での賃貸借は賃借人の保護の側面が強く、一度貸したらほぼ賃借人には戻ってこないという制度であったことが背景にあります。
そのため、不動産の流通量が減り良質な不動産情報の提供ができなくなる恐れが出てきたため、普通借家契約自体が少なくなってきています。
2.賃料と共益費
■賃料交渉のポイント
・近隣相場を調査して対象物件が相場より高ければ相場並みの賃料にしてもらう。
ただし、薬局関連の物件だと厚生局の指導により相場より安い賃料での契約は不可となる可能性あるので注意が必要です。
・医院の新規開業の場合、勤務先を辞めて実際に開業するまでに数か月のタイムラグが生じます。
いい物件は早く押さえる必要がありますが、フリーレント期間(賃料の免除期間)を希望して設定することで、なるべく無駄な賃料を支払わないよう交渉が必要です。
■共益費で受けられるサービス
・共用部分(エレベータ、ロビー、エントランスホールなど)の利用
・共用部分・建物の清掃及び照明の維持管理(電気代含む)
・室内の空調機の維持管理(フィルター清掃など)
・トイレ、水回りの清掃(ペーパー補充など)
**実際に契約するビルの大きさ、管理体制などによってサービスの範囲が異なりますので契約前に確認してください。
3.入居申し込みと手付金
■入居申込書は、借りる側として最初に賃借したい意思を明確に賃貸人に伝える書類であり、物件を押さえるために必要ともなる書類です。
加えて、ここに記載した希望賃料などが諸条件の交渉の前提ともなるわけで、いわば借りる側の交渉カードの役割も果たす大変重要なものです。
また同時期に他の入居希望者がいる場合など、賃貸人はこの入居申込書で入居の可否を判断することになりますので、希望賃料をいくらと書くか、入居時期、賃料発生日をどうするか(フリーレント期間希望)など、より入念な打ち合わせをして記載することが必要です。
契約書と異なり、最終的に破断に終わっても法的ペナルティは在りません。
■手付金
・手付金とは、賃貸借契約を結ぶ際に賃借人が賃貸人に支払う金銭で、いわば仮押えのために支払うものです。その金額は敷金(保証金)の10%から20%相当額であることが多いようです。
・賃借人が契約成立から入居予定日までの間に契約を解除するためには、手付金を放棄しなければなりません(いわゆる「手付流し」)
・賃貸人が契約成立から入居予定日までの間に契約を解約するためには、手付金を賃借人に返還するだけでなく、それと同額の金銭を賃借人に支払わなければならない(いわゆる「手付倍返し」)
・契約成立から入居予定日の間に、賃貸人または賃借人のどちらかが契約の履行に着手したときには、もはや手付返しまたは手付倍返しによって契約を解約することはできない(履行の着手とは、賃貸人が賃借人の要望に応じて内装工事をすることなどを指す)
4.敷金(保証金)
*敷金(保証金)とは、賃貸借契約の担保(主に賃料支払いの担保)として、賃借人が賃貸人に預託するものである。
■金額が適正か
最近の事業用物件の契約では賃料の6か月分から15か月分を敷金(保証金)として設定しているようです。
■返還時期は明記されているか
契約の終了時に原則敷金は返戻されますが、返戻される時期は契約書によって様々です。
返戻の時期が契約書に明文化されていることがトラブル防止のポイントです
■保証金について
保証金の場合には、建設協力金、権利金などといった、敷金とは別の意義も含まれている場合もありますので、確認が必要です。
実質が建設協力金であれば賃貸人に対する金銭の貸付であり、権利金であれば賃貸人に対する金銭の贈与(礼金と同義)となります。
■償却について
償却とは、時間の経過に伴って生じる建物の減価(物理的・機能的に価値が下落すること)に応じて、敷金(保証金)の一部を賃貸人が徴収することです。
・償却は解約時に1回というのが普通です。その割合は敷金の10%から20%、または賃料の1か月分から2か月分です。ただし、毎年10%償却という契約もありますので確認が必要です。
・償却ありの契約の場合、原状回復費用との関係を確認しておいたほうがトラブル防止になるでしょう。償却があっても原状回復費は別途請求されるからです。
5.中途解約
*契約書に中途解約条項がある場合、賃貸借期間であっても、中途解約することが
出来ます。一般的には賃貸人、賃貸人双方について、解約予告期間が規定されています。
■賃借人の場合
解約予告期間は6か月または3か月というのが一般的です。
つまり、6か月前予告契約であれば、解約日の6か月前に解約通知をする必要があります。
なお賃借人が解約通知をした日から解約日までの期間が解約予告期間より短い場合は、そのまま解約すると、解約金として予告期間の不足分の賃料・共益費を賃貸人から請求されます。
■賃貸人の場合
解約予告期間は6か月です。
借地借家法では、賃借人を保護するため、賃貸人の解約予告期間は6か月以上と必要と規定されています。
■定期建物賃貸借契約の場合
特約がない限り中途解約はできませんが、それでも解約したい場合は、残りの契約分の賃料・共益費相当額を賃貸人に支払う必要が生じます。
**建物の所有者と賃貸人が異なっていても、サブリース契約にょうに、特約で賃借人からの中途解約が制限されている場合があります。
近年増えている医療モール物件は、医療モール事業者がサブリースしているケースが多いので、中途解約条項の細部まで注意して見る必要があります。
6.原状回復
*賃借人は解約時(契約の終了時)に原状回復を行う必要があります
最近、原状回復を巡るトラブルが多く発生しています。
契約時に原状回復のことをあまり重要視しない賃借人と、契約書に記載された賃貸人との解釈の違いが、トラブルの原因なのです。
特に医院の場合、空調設備、占有内トイレなどの水回り設備、レントゲン工事など、特殊な内装工事が多いため、トラブルになりやすいので注意が必要です。
例えば、引き渡しを受けた際の状態が完全スケルトン(床や壁、天井などを仕上げていない状態)で、空調設備、トイレなども賃借人の負担で設置した場合、原状回復の原則、借りた時点での状態(完全スケルトン状態)に戻して賃貸人に明け渡すことなので、これらの設備を全て撤去する必要が生じます。しかし、必ずしもそうすることが賃貸人、賃借人両者にとって経済的に合理的な結果になるとは限りません。賃借人にとっては原状回復の工事費用がかかりますし、賃貸人にとっても原状回復せず、医院の第3者継承でスムーズに行くケースが増えてきています。
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